2023/04/28 21:13

小峰慎也「鳥をかくまで」

小峰慎也「鳥をかくまで」-「詩客」2023年2月18日号

2023/04/16 08:37

かずのこ

馬の背後から求人広告。ゆっくり、ゆっくりとだ、人間を蒸し返すのは。大仏の作り方もわからずにここに来ていたのですか? 三人の恋人を支えていた器具がぽきっと折れて、塗りなおされた放火犯が草原に寝ころん...

2023/04/01 11:22

逆さ

今日のおやつは、踏みとどまった色の干しぶどうだ。この社会のいっさいはふるえている、そうじゃないか? 1994年だよ、心がやってきたのは。きみが目をつぶっていたあの時代に、逆さになった納豆が耳から入った...

2023/03/16 10:57

鎌倉

わたしの鎌倉のバスのうどん屋。そこでいくらうどんを進化させたところで、きみの妹が「これぞ名場面」という名を持つ蛇である事実は変わらない。鶴を殺したろう。あらゆるものごとが「中身」として見えるはずだ...

2023/03/02 20:34

むささび

わたしが知ってるのはここまでです。大きな手を二つに割りながらお湯をそそぐ。今はわかりやすさが必要だというむささびをこすらないでくださいよ。岩からの人影が偽名を使ってボールを投げている。「揺れる箱は...

2023/02/17 09:43

山口

こんな複雑なゴリラを持ってきてもらってはこまる、ということなんだよ。山口の平行四辺形のせいで他人の両手が目の前からはなれず、がりっという音で汗をかいていた、あの気持ちだ。「わたしが人の心をひきつけ...

2023/02/03 09:12

青

毎日決まった時刻に青いドーナツが流れ込んでくる。一家全員が間に合わない、という、その部屋の家賃が払えない。生きている男性がわたしたちにいい命令をくだす。ふたたびからまりあう廊下から送られてくるハム...

2023/01/18 10:26

ビニール

巷のビニールがいっせいに人間の口に入る日、長男が橋をわたった先で手を振っている。つるっとした丘に7000円が落ちていた、そういうことだ。わたし程度の拳銃で太極拳が手ぶくろとしてはねまわるなどあるわけが...

2023/01/03 13:52

あふれる

細部のない顔をしてどうしましたか。年を取ったせいか、窓ガラスをはめこまれた魚がうまく食べられない。こいつ、心のミシンをまわしてやがる。いるかがうようよしているな。きみたちは鎌倉幕府を信じるか? わ...

2022/12/21 12:52

良心のまま

小道具として用意したおかずが魚を食っている。タネのまわりに真実が集中していたのだ。タイヤのこすれる臭いで良心を表現するのにも限度がある、って前にもいいましたっけ? 6年かけて壊れた男性の頭がたちまち...

2022/12/03 08:27

流星

ばかをふりおろした勢いで駅に着いてしまった。もの置きを塗りかえる人手が多すぎる。妻が流星に飲み込まれるような音が聞こえませんか。聞こえますね。これは本物の猫ですか。違います、しかし、わたしたちは満...

2022/11/19 21:47

わたしも鷹

白黒反転したわたしたちではあるが。木の板をこするための飴をなめて、海に入ります。説明はむずかしい、この人生。鉛筆もない時代に、炎が使われる。人はみな、待ちながらくずれていく。けど、わたしの勝ちです。

711

2022/10/25 19:22

711

ああ。手足のないセブンイレブンがぼくに見えたり見えなかったりしてほしい。18歳になれば、親の同意がなくても、大便ができる。社会ではそういわれているが、蛇を踏んでいますよ。うわ、溶けはじめてる、われわ...

2022/10/09 15:42

飯粒

すべてに飯粒がついている玄関で6本の日の丸をゆらゆらさせながら会話した。自分専用ザクの勝ち、と。ある意味すごいメダカが通路をふさいで、「わん、わん。」とよろこびの声があがるほどなのだ。無知は終わりで...

2022/09/05 14:00

つるつる

武者小路は牛乳より大きい。それを信じて16キロ走り、腹にひな人形を隠し持ったような顔をして労働者のために光っている最中、あなたにはこれからずっと焼肉のにおいがしています。雪をかきわけきれないで、別の...