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2020年3月20日、私家版。
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行儀よく
さっききみの中によぎった
特長のない風景はなんだろう
「排他的な発言」袋の中の
たしかな手
電車に乗ったときから感じている
子供たちをなでる手で
すばやく「三」を書く
行儀よくしようとしすぎる客も困るでしょう?
はっきりとわかるかたちで変化するから困るんだ
目を押さえて笑っている
切り取った昔のアヒル
小さな勝負しかしなくなって
腕をこすると
あたり一面明るくなった
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タイヤ
タイヤを16回たたいた朝だ。チリ紙交換の車が天空にすいこまれたあとの、「毎度おなじみ」地上の人々というわけか。洗濯物にまきこまれたままの姿で、「権利」について語っている。それはわかった。いまはその次の、素人からこぼれおちるアメリカをどうふきとるかという段階なのだ。
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眠いので
眠いので
目をつぶっていたらわからない布地が思い浮かんだ
布地以外のものは思っていない
わたしのきょうだいは3人です
タイの僧侶らしき
若いめがねをかけており
はしゃぐというか
からだをななめにしたりしながら
話をしているのかもしれない
「わたしのいうことはわかる」
子供たちが
板の上を列になって歩く音
水にぬれた両腕で立つ日をすててここにいる
忘れそうになるが
口だけが扉をたたいている
毎日見ている小さな
紙
何も書いてないが
くたびれるまで折りたたんでたまに出しては
今日も人を助けたなあ
と思う
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負けたんでしょ
いつ
どこになじんだ道具があるか
わからない
何度もおりる飛行機の中で
いいたいことも
全部いった空き時間
みんな大丈夫だってわかってるけど
ボールを投げて
左側がおさまるまで
川で少し
誰かの影響をうけていなよ
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まずしい旗
まずしい旗にかくれて
くつ下を捨てたのだろうか
山をかたどった
Tシャツを
布になるまで
なびかせている
部分でしかない犬に見つめられて
給食を食べた歴史これも
中卒の弟が
まきちらされた
二階でのこと
家の前のべこべこという
音をのぼって
泣くんじゃないよはい馬の腹にかくれた時代が長い
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窓の家
妹が年をとりまして
と近づいてきた友人の足首から炎が上がっている
それをなめとりたい
中森明菜もそう思ってるはずだ
この家は窓から入るんですよっていっていましたね
テレビに出て
ミジンコの水槽を割ってしまった
通信教育のおじさん
純粋なたのしみは
絵を洗ったあとのこと
いっしょに虫のような小便をして
うしろから声をかけられる
そういうの、きらいじゃないぜ
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